①この仕事を選んだ理由

最初の18年間は、日本でエンジニアとして仕事をやっていました。
私は食べることが好き、食べ物が好き、料理が好きな人だったので、
ベテランの人を雇って店をやろうと思ったんですが…
〝自分の思い通りの料理にならない〟ので、
結局は無理矢理に料理人になっちゃったんですね。

で、どんどんどんどんその料理人になった時は、
自分がいつまでに完璧な料理人っていうか…
いつの間にか〝料理が大好きな料理人〟になっちゃったんですね。

なんでそういう風になったのか自分でもわからないんですけど、
「たぶんDNAじゃないかなぁ」って思ってるんですよ。
お父さんとか、おじいちゃんとか、ひいおじいちゃんまでやってたかもしれないんですけどね、うち。

その料理をやってたDNAが自分にもあったんじゃないかな?
それで料理の仕事が好きになっちゃったんですね。
結局は自分が何年もかけて勉強した仕事もやめて、
こういう料理の仕事に携わったんですね。

そうですね、せっかくこの仕事が始まったので、
「自分によく合ってるのかな」という風にも思ったんですよね。

〝食べることが好き、料理が好き、お客さんと話すことが好き〟
そんな色々なことが重なって…
「前の仕事よりもこの仕事の方が自分に合ってたんじゃないかなぁ」
と思うようになりました。

どんな仕事をやってても、食べているじゃないですか。
生活するのために仕事をやって、お金をもらって生活する…
ということじゃないですか。

この仕事も同じなんですよね。
お客さんからお金をもらって、そのお金を使って買い物して、自分の家族を支える。

同じことですよね。
そこで、何をやっても生活のためにやろうと思ったんですね。
〝自分の生活、自分の家族を支えるのために〟
どんなことでも、そのためだけだなと思ったんですね。

そのためなら、、、
「この仕事の方が合ってるんじゃないかな」と。
その時は勉強を色々してそのことにかけたんですけど…
今のところ、現実はこれでいいのじゃないかなぁと思っています。
この仕事に対しての自分の中のDNAがでてきて、やることになっちゃいました(笑)

②2つの国旗と店名の由来

これはよく言われますね。
日本の国旗とネパールの国旗があるので、
皆さんに「この2つ国旗は?」ってよく聞かれます。
「なんで?」って。「日本の国旗なんで?」って。
「ネパール料理のお店に日本の国旗なんで?」って。
よく言われるんですよ。

ここには私の個人的な想いがあるんですね。
(店よりも自分の個人的な想いがあるんです)

私はネパールで生まれて、半分の人生は向こうで育って、
それで日本に来て、日本で生活して…
半分の自分の人生は今の所で暮らしているんですが…

日本のことも大好きになって、
日本の山や川…全部好きなんですよ。
海、なんでも好きになってる。
山、食べ物、なんでも好きなんですよね。


好きな人もできて結婚もして、
いつか帰るつもりで来た人だったんですが…
結婚をして、奥さんのお父さんお母さんと住むことになって…
(6年くらい一緒に住んでるんですが)

国籍を変えちゃったんですね。
ネパールの国籍を変えて、日本の国籍にしちゃったんですよ。
前は、奥さんと子供が日本国籍で、自分がネパールの国籍だったんですけど、一緒にしたんですね。


自分も変えてこっちにした。
生まれた国、生まれて自分が育った国。
成長した国として…日本で、成長したんですね。

「ネパールだったら自分の考え方はちょっと違ってたかな」
って今も思うし、、、
「日本だからこそ自分が結構変わったのかな」というのもあります。
いつかどこかで、、、
「自分が日本人だったんじゃないかなぁ」って思うんですよね。
今もどこへ行っても私の顔は外国人と言われますが…
「この顔の日本人なんですよね」
なので、両方の国旗は私にとっては大事なんですよ。

生まれて育った国と成長した国…
自分のエネルギーが…
ある時は全部のエネルギーが…
この国にかけていってるんですよ。

向こうは子供から、勉強までちょっとした(仕事やってないけど)
あとは、何をやったかって全部ここですね。

日本で全部自分の一番エネルギーがある時は、
全てこの日本で仕事をやって、お金も稼いだし…
この想いが結構強いので、自分は日本人になろうと。
こういう風に決めたというか、もうそうなってるんですよ(笑)

なので、、、
国籍も変えて、もう国旗もこの国旗だよ、と。
この両方の国旗が自分の中にあると思っています。
〝私の心の半分はネパール、半分は日本〟
右左どっちかがネパール、どっちか日本です。
それでいつも国旗は二つにしています(笑)


〝ベースキャンプ〟の名前はですね、、、
ネパールで高い山といったら〝エベレスト〟ってご存知ですか?
そこへ登るためにみなさんが行く〝ベースキャンプという場所〟があるんですよ。

5364メートルぐらいの所にそういう場所があって…
その〝ベースキャンプ〟でみんなエベレスト登るために、
大体一ヶ月ぐらいとか練習したり登ったり…
そこは〝登るための練習場所〟なんですね。

そこで体力作りをしたり…
美味しいものや必要な食べ物を食べたり…
そういう場所があるんですね。

それを思い出して、、、
「エベレストに登るぐらいの力が出るように料理をしよう!」
そう思って〝ベースキャンプ〟という名前にしました。

③この仕事の魅力

「この仕事が一番面白い」っていうのは…
〝自分に合ってること〟です。

DNAと合ってるんですね。
「DNAじゃないかな?」って思うんですよ。
私はこの仕事に向いてます。


〝食べること〟が好きだし…
〝話すこと〟も好きだし…
〝作ること〟も好きだし…
〝スパイス〟とかにも興味があります。

そういうことをすべて含めて、、、
〝この仕事は一番自分に合ってる‼〟

「お客さんに喜んでもらった時の気持ちはすごい嬉しいです」
自分が食べる時よりも、、、
〝お客さんの気持ち〟の方がもっともっと楽しい‼
自分にもっと喜びがあります‼‼

④やめなかった理由

〝私が気持ち良くできる仕事〟
〝自分に合っている、DNAに合っている仕事〟

というのはこれかなぁ、と。

あと、、、
「この地域に自分がいる存在感というのは、この料理かなぁ」
「私が作る料理かなぁ」

と思っているんです。

色々な仕事をやってきましたが…
前より今はたくさんの方々、たくさんのお客様に、
この店のことを知っていただき、また来ていただいています。

私はもう日本人になりましたので…
ネパールには観光ビザで行くんですけども、
「私が子供の頃から知っているネパールの文化を皆さんに知ってもらいたい」そういう思いもあるんですよ。

こういうネパールのことも…
こういう料理をやりながら教えて…
「ネパールの情報も発信してお客様に知ってもらいたい」

というのもあるんですよね。

店を始めて、、、
お客さんのこの店に対する気持ち…
結構心配してくれているお客さんもいっぱいいます。

そういうようなことを思い出すと…
「やめちゃいけないな、もっと頑張らないといけないかな」
という気も出てきます。
そのエネルギーもパワーも出てくるんですよ。

この地域の一部、地域のちょっと小さいけど…
「この地域のどっかにいるっていう感じになっちゃってるので」
やめられないです(笑)

どっかにちょっとある…
ポンと、ほんとにポンと?なんですけどね(笑)

⑤絶対に変えたくないこと

「この地域の一部になって、一生懸命皆さんと一緒に頑張りたい」
皆さんと一緒に〝もっともっと美味しい料理を提供〟して……
この料理を通して〝健康づくりにも何かプラスになること〟を…
〝違う国の文化〟も皆さんに少し知ってもらったり…

皆さんから莫大な力をもらっているので…
また応援ももらっていますので…
「ほんとに頑張っていきたい。やっていけるかな」
と思ってます。

今は皆さんに…
大変多くのお客様の支えがありますので…
大丈夫だと思っています!やっていきます‼
よろしくお願いします‼‼
はい。ありがとうございます。